本日11/21に3.2億円のシリーズAの資金調達のリリースを出しました。
もっと大きい金額を調達している会社さんがいっぱいいる中で、私の事業計画書を公開するのは恥ずかしい気もしますが、 今回の資金調達にあたり、いろいろGoogleで調べた際に(特に日本語では)全く参考になるものがなくて苦労しました。 特にSaaSではどんなメトリクスが必要かもよく分かってなかったので、同じようなビジネスや金額を目指す人達の参考になればいいと思います。 弊社にはCFOはいないので、100%自分で作ったものです。資金調達のコンサルタントみたいな方もお願いしてないです。
スケジュール
最初は保守的に1億円かな?と思っていたのですが、今年の2月くらいに既存投資家さんとお話をして、もっと大きなプランを書こう!となり、今年の8月に3億円の調達をターゲットにする事に決めました。
3月くらいから事業計画書を書き始め、いろんな人に見せてアドバイスをもらってはアップデートしていました。 本格的に投資家さんを回り始めたのは、TiE50が終わった6月くらいからです。
最初10社くらい回って玉砕で、とっても凹みましたが、10社目を過ぎた辺りから感触が良くなり、20社目に行く頃にはそれなりに選択肢ができるくらいになりました。 最初の頃は断られてばかりで、その度に落ち込んでく私を励ましていただいた既存投資家の皆様に本当に感謝します。 なので、今から投資家を回ろうとしているあなた!100社くらい回る人もいるくらいなので、諦めないで下さい!!
私達が最終的なバリエーションと調達金額を合意できたのは、10月頭です。 そこから契約書作業を経て、本日のリリースになります。 なので皆さん、シリーズAをやろうと思うと、半年以上かかる事を覚悟していて下さい。
資金調達のTips
「私のケースでは」という大前提なので、これに当てはまらないケースもいっぱいあると思います。 あくまでも参考までに読んで下さい。
1. ビジョンよりも数字にフォーカスをした方が良い
私は今回数字作りに一番フォーカスしました。 おかげさまで、投資家さん達に「元々金融出身ですか?」と聞かれるくらい数字に強なりました。(理系で良かった!) 元々、根拠のない「期待値○○%」みたいなエイヤーの数字が好きではないので、数字は全て実績から計算して作りました。
ターゲットや国ごとに細かく分け、最低でも過去半年分の月次の契約社数、新規リード、リードCVR、平均単価、解約数、解約率を加重平均で出し、それらの平均から将来の解約率やリードCVRを出しました。 営業の人達の平均月額獲得数と過去の平均単価と採用予定の人達の掛け算で、将来の売上から計算しました。 コスト計画も旅費交通費等は人数と平均の掛け算、光熱費などは過去の月次平均増加率を入れました。
これ全部excelでやったため、大変だったので今後はProfitwellとかChartMogulを導入して管理しようと思います。
2. 資金調達中も足元の売上げをちゃんと作る
これはとにかく弊社の全員に感謝です。 この1年近く、我々の会社のOKRは「MRR1,000万円」で、ビジネスチームだけでなくエンジニアチームも「いくらハイテクでも使われないサービスに価値はない」と徹底して、全員で売上だけを目標にしていました。 実際MRR1,000万円というのは、投資家さん達にとっても1つのポイントらしいです。
3. グローバル戦略は書かないほうが良い
これを理由に断られることが多かったです。日本の投資家さんはグローバル戦略を嫌う人が多いです。 私はそれでもグローバル戦略を最後まで残しましたが、これがなければ早く調達が終わったかもしれません。 でも、あなたが信じるなら、グローバル戦略は書くべきだし、そもそもチャレンジを忘れたらスタートアップではないと思います。 私が今回調達できたように、ちゃんと応援してくれる投資家さん達はいっぱいいます。 新規投資家の皆様、本当にありがとうございます!
事業計画書のスライドです
スライドから削除しているページ
競合比較やポジションマップのページ 競合をディスってるので、ここでの公開は控えました。
過去2年間のMRR/カスタマーチャーンレートのグラフ 理由を明確に書いてるので、お客さんの情報をかなり含んでいるため。
ターゲット毎の営業確度の数字(CVRやリードタイム)、次の5年の売上数値目標、プロダクト直近のロードマップ、5カ年計画 既存投資家さんのNGが出ました。
では、皆さんの成功をお祈りしてます!